2014年7月17日木曜日

京都市交通局 職員研修 まとめ

7月3日、9日、10日と3日に分けて行われた京都市交通局の職員研修が終わりました。
以下に概要を記します。

■日時 2014年7月3日 7月9日 7月10日
■場所 京都市右京区総合庁舎(交通局庁舎)
■参加者 車いす使用者、スタッフ
         山名さん、 JCILから約10名
       交通局
         自動車部(バス担当)から営業、技術、運輸の職員 58名
■内容
 障害当事者が参加し、講師役を務める研修において車いす使用者を始めとする移動に制約のある人がバスを利用することの困難さや、当事者とのコミュニケーションの重要さを理解してもらう。

第1部 講義 60分
  矢吹さん 
  リフトバス導入に向けた障害者運動の経緯を紹介し、障害者が公共交通を利用することの大事  さを講義
  DVD上映
   「この道を行く」 
    リフトバスの紹介、誰もが利用できるバスに向けた啓発的な作品
  山名さん
   京都市バスの問題
    マウントアップの切り下げ
   車いすの形状や種類の紹介
   固定について、関係の法令などの説明
 

第2部 乗車体験
  ◯バス乗降
    電動車いす(大型)でバスに乗って降りる
  ◯手動車いす(雨とスペースの関係で室内で実施)
    基本的な扱いや声かけの重要性、少しの段差でも進まないこと、介助される側の
    体験
  ◯電動車いす&コミュニケーション(雨とスペースの関係で室内で実施)
    電動車いすの構造や操作の仕方、実際に運転。
    言語障害のある障害者とのやり取りの基本

第3部
  グループディスカッション
  冒頭に「車いす使用者が日頃バスを利用していて思うこと」を発表
  講義と乗車体験を終えて、 職員と当事者が率直に意見交換をすることが目的


時間が押してしまい、第三部のグループ討論の時間があまり取れなかったのが残念でしたが、全体的には良い研修になりました。
これまで交通局は当事者が参加した研修をしていませんでしたが、今回初めての試みにもかかわらず、3時間という長い枠をJCILに任せてくれたことには敬意を表したいと思います。
受講した職員のアンケートを見ても、車いす使用者が安全・円滑にバスに乗ることの難しさを実感したという内容が多く、おおむねこちらの思惑に沿った形になりました。
次は新規採用の乗務員に対する研修をすることになると思います。
今回の反省を生かしてより良いものにしていきたいです。








2014年7月5日土曜日

京都市交通局職員研修 初日の模様

7月3日、JCILが京都市交通局のバス担当部署と合同で職員研修を行いました。
昨年の話し合いの中でこちらが提案したものを交通局が受け入れて今回の研修が実現しました。

今回は乗務員(運転手)ではなく、事務や技術の職員が対象で3日に分けて行います。7月3日の研修は、その初日で20名の職員が受けました。
場所は交通局も入っている右京区役所です。

研修は講義と車いす乗車体験、グループディスカッションの三部構成で3時間かけて行いました。あいにくの雨でしたが、内容の充実した研修になりました。

最初の講義は、矢吹さんとバリアフリーリーダーの山名さんが担当。
矢吹さんは、JCILのリフトバス導入などの運動の経過を紹介しながら、障害者にとってバスなどの公共交通がいかに大事かを話しました。
そのあとJCILが20年以上前に作った映像作品「この道を行く」を上映しました。パーフェクトバスの運動と全ての人が使いやすいバスに向けた啓発的な内容です。

山名さんは、様々な車いすの種類の紹介や、京都市バスの良いところ悪いところをまとめたものをパワーポイントを使いながら説明されていました。
代表的なものをあげると
悪いところ:バス停に正しく停車しないバスがほとんど
良いところ:車内の行き先電光表示がとても見やすい
などでした。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 講義の次は乗車体験です。バス1台を南側玄関につけてもらい、電動車いすで乗り降りすることがメインです。車いす使用者側になってバスに乗ることの難しさや気持ちを少しでも感じてほしいと企画しました。他にも電動車いす体験と手動車いす体験、障害者(とくに言語障害がある人)とのコミュニケーションのコーナーを設け、受講者が順番に回っていきました。
 
 


雨なのでバス乗降以外は室内で実施。手動の方はフラットな会議室で段差乗り越えなどが出来ず不完全でしたが、ステップ上げや正座で介助される側の怖さを少しは体験できたのでは、と思います。電動はJCメンバーが積極的に話をしていて盛り上がっていました
バス乗降はあまり見れなかったですが、横に着いてもらった山名さんによると、思いの外運転がうまい職員が多かったとのことです。
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第三部はグループディスカッション。冒頭に車いす使用者がバスに乗っていて思うことを発表し、2つのグループに分かれて話をしました。
 
 
 
職員一人づつに話をしてもらっていたグループは、近くにいなかったのであまり分かりませんでしたが、和やかなムードが漂っていました。 もう一つのグループでは車いす使用者のプライバシーに配慮しながら行き先を聞くのはどうすればいいのかなどを話し合いました。短い時間でしたが、職員からも色々な感想や意見が聞かれたのは良かったです。


17時30分に全プログラムが終了。職員のみなさんから拍手を受けて解散しました。

研修はあと2日あります。今回の反省点をまとまてより良いものにしていきたいです。