2014年5月12日月曜日

アクセス関西 ホーム柵企画

本日、5月12日、大阪市の大淀コミュニティセンターにてアクセス関西の春の企画、「障害者の立場で安全な駅利用を考えるー可動式ホーム柵3タイプ・検証報告ー」 が開かれました。
ホーム柵の設置が進まない中、新しいタイプの柵を各事業者が採用しはじめています。昇降式ロープ柵がその主流ですが今回の企画はそれを当事者の視点で評価することをメインテーマにしていました。

企画は3部構成で、最初に京都ライトハウスの野々村好三さんが講演しました。 

野々村さんは視覚障害者の歩行の自由と安全を考える会を結成されて活動をしてきた人で
そのきっかけは地下鉄天王寺駅での視覚障害者の転落事故でした。99年に被害者である佐木さんが提訴、その支援のために会は作られました。
主な訴えは視覚障害者の鉄道利用における安全な環境の実現でした
ホームの点字ブロックの敷設とブロックが内側か外側を判別するための内方線の取り付け、駅員の声かけの奨励などが主な取り組みでした。
野々村さんは、外出することは人の生活と不可分、障害者にとってはそれは危険と隣り合わせで、自由、安全に外出することを権利として認めるようにすべきだと訴えました。
障害者権利条約の批准、条例の制定など、障害者が健常者と同様の生活を営むことを保証する
ための整備が進められつつありますが、こうした動きは野々村さんたちのような当事者運動がもたらしたものだと改めて感じることができた講演でした。

第二部は、3月に行われた関東のホーム柵調査の報告です。
現地に行ったメンバーは5名。
手動・電動車いす(ベッド型含む)、視覚障害、弱視、それぞれの立場からロープ型のホーム柵を調査しました。
詳しい内容は以下のブログをご覧ください。
 http://blogs.yahoo.co.jp/jcilhontai8484/11915021.html
今回の報告では、それぞれの長所と短所をまとめ、改良すべき点等を発表しました。



短所は強度、視認性に欠けることと、ロープの間隔が広いところは子どもなどがすりぬけてしまうことです。
 最大の長所はやはりコスト面でしょうか。
一定の強度と安定性が確保されるのであれば、この形のホーム柵を付けていくのは合意がとれそうです。
現行の扉式のものは、なかなか設置が進みません。
最大の要因はコストです。やはり、ホーム柵が無いよりは、あったほうがいいです。

第三部は、各鉄道事業者からの報告です。
なんと7つの事業者から担当者が来てくれました。
かなり画期的なことです。
・大阪市交通局
・近畿日本鉄道株式会社(近鉄)
・京都市交通局
・京阪電気鉄道株式会社
・西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)
・阪急電鉄株式会社
・阪神電気鉄道株式会社
大阪と京都の交通局は、すでにホーム柵を設置し、これからさらに付けていこうとしています。大阪は今年度、千日前線にホーム柵がつきます。段差・隙間の解消も行い、長堀鶴見緑地線クラスのバリアフリーホームとなります。
我が京都市は、烏丸線の烏丸御池、四条、京都にホーム柵がつくことを報告してくれました。
JRは桜島駅にロープ柵を付けていましたが、試験期間が終わっています。
今年12月に六甲道駅に12両編成の車輛に対応したロープ柵が設置されるようです。
また、環状線の大阪、京橋、鶴橋、天王寺、新今宮という10万人/一日の駅にホーム柵を着ける予定ですが、それは車輛の統一を図ってからということでした。
近鉄、京阪、阪急、阪神は検討は進めているが、なかなか問題も多くて・・といったような内容の報告でした。少し残念でしたが、各担当者ともこの集会に参加できて色々収穫があったと言ってくれていたので、期待したいと思います。
とにかくこれだけ数の参加は、それだけホーム柵の設置と当事者との意見交換の重要性を事業者が認識していることの証です。
最後になりましたが、集会参加者は220名!
アクセス関西の動員力はすごいです。
みんなでまた頑張りたいです。
 メインストリームの佐藤さんがアップしてくれた画像です。
集会後みんなで記念撮影をしました。






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