2017年11月29日水曜日

「バリアフリー法改正の集い」に参加しました

11月28日に東京で行われたバリアフリー法の改正に関する集会に参加してきました。
会場は国会議事堂や首相官邸が付近に立ち並ぶ衆院議員会館です。
全国各地から同志が集まり、関西からも多く参加していました。
現行のバリアフリー法ができて来年で12年になりますが、国はようやく改正にむけて動き出しています。来年の通常国会で審議がなされ、会期末である6月までには成立が見込まれています。
この改正にあわせて、当事者が東京に集まり国会議員・官僚たちにたいしてアピールを行うことが大きな目的でした。
集会では最初に長井・国交省安心生活政策課長から改正についての説明がなされました。
経緯としては、高齢者障害者が増加傾向にある中で障害者権利条約の批准やパラリンピックの開催決定があり、視覚障害者のホーム転落事故が相次いでいることなどから改正に着手することになったようです。
具体的に進めることとして、観光地のバリアフリー、バリアフリー情報の提供、当事者の意見を採り入れる仕組み、バリアフリー基準・ガイドラインの本年度中の見直し、建築物について区域を限定して必要な部分だけ重点的に整備などの柔軟で迅速なバリアフリー化、なかなか進まないバリアフリー基本構想をつくりやすくするための制度見直し、交通事業者の研修もさらに充実、接遇のガイドライン、一般の利用者への啓発などです。
この案のとりまとめの会議には、DPIなど当事者団体も参加しており書いてある内容は充実したものだと思います。これらを実現させるためには、今後も改正に向けた動きを注視し、働きかけていかなければなりません。

長井さんの話に続き、シンポジウムが行われました。コーディネーターの高橋儀平さんをのぞき、登壇者は国会議員です。
自民党の盛山さんは、現在のバリアフリー法の基礎となっている2000年の交通バリアフリー法を策定した人で、当時は運輸省の官僚でした。現在自民党の国交部会長をつとめており、改正法の策定における重要な役割をつとめると想像できます。シンポでは公明党の山本さん、立憲民主党の森山さん、希望の党の小宮山、共産党の山添さん、維新の片山さん、無所属の会の原口さん、から発言がありました。それぞれ、自らの体験などから避難所のバリアフリー化の重要性や移動の権利の確立、衰退する地方の交通機関への国からの補助、といったそれぞれ結構勉強しているようでした。

集会の最後がDPIの尾上さんからの報告でした。
法律まだこれからつくって行く段階で、12月頭に終わる現在の国会が終わり、地元に帰ってくる国会議員に当たることを呼びかけました。DPIとして議員への要望の際のポイントをまとめてくれており、尾上さんが解説してくれました。

以下、いくつかかいつまんで

・医学モデルから社会モデルへ

・地方のバリアフリー化
IPC、障害者権利条約。この二つを法律に取り入れることが大事
都市部・農村部においてバリアフリーを確保することを明記

・小規模店舗
現行は2000平米が対象(デパートなどの大型施設)
毎日使う店舗は対象外
1994年ハートビル法から変わっていない
自治体の条例があるところは進むが。。。
小規模店舗も国レベルで改正しないといけない

・避難所としての学校のバリアフリー化
阪神大震災では多くの利用できず
2011年の震災でも改善されず、熊本でもそう
ハートビル法では特別支援学校はバリアフリー法の対象だが一般の学校はそうなっていない。
投票所にも、避難所にもなる
地域の学校のバリアフリー化も義務づけてほしい

・駅の安全向上単独乗降
ホームドアをつけるときにかさ上げを同時に行う(段差解消)

新幹線特急車両のフリースペースを
在来線も1車両に一つのスペースを

移動の権利、共生社会をバリアフリー法の中に入れていきたい
社会モデルではなく、医学モデルのまま
知的障害精神障害などが排除されるような仕組みになっている

権利条約の批准や障害者差別解消法の制定が行われましたが、現在のバリアフリー法はそれが反映されていません。
バリアフリー法の改正がよりよいものになるよう、私たちも地元の議員などに訴えていきます。ともにがんばりましょう!